道端や公園に自生している「オオバコ」という植物をご存知ですか?
誰もが一度は目にしたことがあるくらい日本中の至る所に生息している植物ですが、実はその「オオバコ」には、もはや雑草とは言えない程非常に沢山の効能があるんです。その中には便秘解消やダイエット効果も含まれているとか!
今回は身近な植物である「オオバコ」に隠されている効能についてまとめてみました。
オオバコについて
オオバコ科に属する植物で、別名「車前草(しゃぜんそう)」とも呼ばれます。日本のオオバコは高さが10~15cm程で、卵型の葉っぱが特徴となっていて、水分を吸収すると糊のような粘り気のある液が出ます。人や動物に踏まれても絶えることができる強い生命力を持った植物で、踏まれた時に靴にその粘液が付着することで種子が広まるので、公園や路肩など人が歩くところに多く自生しているんですね。
葉が大きいことから「オオバコ」と名付けられたと言われていますが、地方によって様々な呼び方があるようです。火であぶると膨らむオオバコの葉がカエルのお腹に似ていることから「カエルっ葉」と呼ばれていたり、花の茎を絡ませて引き合って遊ぶことができることから「相撲取り花」と呼ばれていたりします。
オオバコの成分
種子、根、茎すべてに有効成分が含まれています。
種子の外皮には多糖類である「プラセンタサン」「フラボノイド」を含んでいて、鎮静効果が期待できます。粘液は直接腸を刺激して便秘解消に役立ち、ポリフェノールの1種である「タンニン」は活性酸素を除去する抗酸化作用があります。
薬品としての役割も
そもそもオオバコは古くから民間薬として重宝されていて、煎じて服用することで白内障など目の症状に良いとされていました。また現在でも茎や葉をお茶にして飲むことで、咳やのどの痛みなどの症状を抑えるために使われていて、国内医療において重要な医薬品の基準を定めている「日本薬局方」に記載されている生薬です。
また漢方薬の1種としてもその名は知られていて、紀元前200年くらいの「漢の時代」から利用されている歴史的にも古い植物ですが、目や喉の症状の他に、利尿作用や外傷の処置にも利用されていました。漢方名は「車前草(しゃぜんそう)」「車前子(しゃぜんし)」と呼ばれていて、止血、利尿、下痢止め、咳止めなどの効能に優れているとされています。
オオバコの効能①:便秘解消効果
オオバコには食物繊維が豊富に含まれていますが、実の約80%が「不溶性食物繊維」となっています。
食物繊維には「水溶性」と「不溶性」がありますが、不溶性食物繊維はその名の通り水に溶けにくい性質があり、体内に入っても胃では消化されずそのまま腸に届きます。それによって便の量が増えて膨張することで腸が刺激され、腸の蠕動運動が促されて排便がスムーズになると言えます。
さらにオオバコの表面を覆う薄い粘膜は全体の約30%分となる粘液になりますが、こちらも水分を吸収することで約30倍にも膨張して、腸を刺激するサポートをしてくれます。またこの粘液には保水性もあるので、便の内部に水分を溜めて、便が硬くなるのを防いでくれるのです。
便秘解消のポイントである蠕動運動を促すことと硬便を防ぐことで、確実に腸内環境が良くなると言えるでしょう。
オオバコの効能②:ダイエット効果
便秘が解消されることによって新進代謝も活発になります。便秘になると腸内や血液中に蓄積されている老廃物を排出することができないので、血行が悪くなり、新陳代謝も悪くなります。新陳代謝がアップすれば、脂肪が燃焼されやすい身体になるので、ダイエット効果はもちろん太りにくい体質に導いてくれるでしょう。
オオバコには水を吸収すると30倍にまで膨張するという特徴がありますが、オオバコのサプリメントをお水と一緒に食前に摂ることで、胃の中で膨張して満腹感が得られるので、食事の量を減らすことができます。その結果摂取カロリーも少なくなり、ダイエットにつながります。
また食物繊維は1g当たり約4gの脂質の吸収を防ぐので、体内で吸収される脂質を減らすことで脂肪の蓄積も防ぐことができますね。
オオバコの効能③:生活習慣病予防
オオバコ全体に含まれている「配糖体」、葉の部分に含まれている「フラボノイド配糖体」「マンガン」、種子に含まれている「コリン」という成分は全て血糖値やコレステロールを下げる働きがあります。その結果高血圧が改善されるので、動脈硬化や脳卒中、さらにメタボリックシンドロームなどの生活習慣病を予防できると言えるでしょう。
ちなみに臨床研究では「血清コレステロール値」「LDLコレステロール値」「血中脂質」の量が低下したという結果が報告されています。
オオバコの効能④:むくみ解消
オオバコの葉と種子には利尿作用があるので、むくみを改善してくれます。また体内の老廃物は尿と一緒に排出されるので、デトックス効果も期待できるでしょう。
オオバコの効能⑤:のどの調子を良くする
オオバコに含まれている「プランタジン」という成分は、のどの炎症を抑えたり咳を止めたりする効果が期待できます。また「アウクビン」という成分が粘液の分泌を促して、粘膜を回復させる作用があります。
これらの働きによって弱っている気道の粘膜が修復されるので、咳を抑えることができますし、さらに殺菌作用もあるので、のどの炎症によって起こる風邪を予防したり、改善したりするのに役立つでしょう。
オオバコの食べ方
道端や公園などに自生しているので摂取するのは簡単ですが、決して清潔とは言えないのでしばらく水に浸けておいてから使うようにしましょう。調理する際には下茹でをしてしっかりとアクを抜いてから、天ぷらやお浸し、和え物などにするのがオススメですよ。
自生しているオオバコを食べるのに抵抗があるという方は、サプリメントでも良いですね。また最近ではダイエットサポート食品として、お水やジュースなどに溶かして飲む顆粒タイプのサプリメントやタブレットタイプなど自分好みのサプリを選ぶことができます。
漢方に抵抗がない方は処方してもらっても良いですし、「オオバコ茶」も手軽に摂取できる方法でしょう。健康食品にオオバコの成分が含まれている場合は「サイリウム」「プランタゴ・オバタ」という名称で記載されている場合が多いので、見逃さないようにしてくださいね。
これらのサプリメントや漢方は水分と一緒に体内に入るので、不溶性食物繊維の働きも活発になり、より便秘解消に効果を発揮できると言えます。
サプリメントを選ぶ時の注意点
手軽に摂取できると言うメリットはありますが、中には粗悪な商品もあるので、成分や製造方法、製造年月日が細かく記載されていなかったり、添加物が含まれていないかを確認してから購入するようにしましょう。
オオバコを摂取する時の注意点
オオバコには子宮の緊張を促進させる作用があると言われているので、妊娠中は摂取を控える必要があるでしょう。またオオバコは「寒性」性質があるので、冷え症の方も摂取するのを控えた方が良いかもしれませんね。
大量に摂取することで下痢や血圧の急降下を引き起こす可能性があるので、普段から下痢体質の方や低血圧の方も様子を見ながら摂取するのがオススメです。
オオバコはただの雑草だと思っていたら大間違い!
もう一度念を押しておきますが、今回ご紹介したのはあのどこにでも生えている「オオバコ」です。
特にダイエットを成功させるには効果的なので、是非オオバコダイエットを実践してみてはいかがでしょうか?
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